キャビンアテンダントになるには、どのような英語が必要なのか?レベルはどれくらい必要?と思われている方もいらっしゃると思います。
また、CAを目指して英語を勉強したいけれど何をするべきか悩んでいる方もいらっしゃると思います。
採用試験ではTOEICの点数がある程度必要なのですが、飛行機内で使う英語はいわゆるコミュニケーション手段としての「英語」。実践的な英会話が中心です。
そこで、今回は欧米の外資系エアライン3社で17年間乗務した経験を基にキャビンアテンダントの英語について、仕事ではどのようなことを話しているのか?どういうときに英語を使うのか?必要な英語は何か?など詳しくお伝えしていきます。
また、キャビンアテンダントになるための英語の磨き方や役立つ英語教材などもご紹介します。
将来キャビンアテンダントになった後のために役立つ英語は何か?がわかります。
キャビンアテンダントが仕事で使う英語
飛行機に乗っているときに、キャビンアテンダントが英語を話す風景を見かけたことがあると思いますが、英語を使うときは大体以下のような時です。
◆機内アナウンス
◆外国人乗務員とのコミュニケーション
◆機内アナウンス(日本路線しか飛ばないいわゆるローカル採用の場合は、英語アナウンスはなし。日本語のみのアナウンス)
◆ブリーフィング(フライト前のミーティング)
◆乗務員同士のコミュニケーション(機内では基本英語が共通言語となります。)
◆トレーニング(CAになるための訓練はすべて英語で行われ、テストに受かる必要があります。)
外資系エアラインでも、日本路線しか飛ばなかったり”日本人乗務員”として乗務する場合は英語でのアナウンスの機会はほとんどありません。
私も外資系エアライン3社で17年乗務しましたが、英語のアナウンス経験は日本人客室乗務員というローカル採用ではなくFlight Attendantとして乗務したアメリカのエアラインでチーフパーサーを担当した時1回だけ。
そして、日本人客室乗務員として採用されたイギリスやオランダのエアラインでは日本路線しか飛ばないので、お客様もほとんどが日本人の方ということもよくあります。
なので、フライト前の乗務員同士が集まるブリーフィングや乗務員とのコミュニケーション以外は全部日本語だったなんていうこともよくありました。
キャビンアテンダントが使う英語フレーズ
ここから、客室乗務員が仕事をする上で必要な英語はどのようなものがあるかを説明していきますね。(ご紹介する英文はサンプルです。)
サービス、接客に関する英語
機内でサービス要員としての役割を担うための英語です。
飲み物やお食事、機内販売などサービスを行う際に必要な接客英語など。
例えば
◆What would you like to drink?(お飲み物は何になさいますか?
◆How would you like to pay?(お支払いはどうされますか?)
機内の安全設備に関する英語
保安要員としての役割を担うために必要な英語です。
例えば、
◆Please return your seat upright position.(お座席を元の位置にお戻し下さい)
◆All secured!(離陸/着陸準備OKです。*客室乗務員がお客様の離着陸の準備が出来ているか確認した後に客室の責任者に伝えるときに言います。エアラインによって言い方は違います。)
安全に関する説明や対応なども英語でする必要がありますが、具合の悪いお客様などの対応もします。
日常会話
お客様や一緒に働く乗務員同士の何気ない会話です。話のきっかけ作りなどをします。
機内アナウンス
機内アナウンスは、マニュアルがありますので、通常はそこに便名や行き先、キャプテンの名前などの情報を加えて読むだけです。
外資系エアラインの場合、主に日本路線のみ乗務している客室乗務員は機内でのアナウンスは日本語のみということは先ほどお伝えしましたが、客室のサービスなどに関するアナウンスと操縦席からのアナウンスを英語から日本語に訳して伝える役割があります。
こちらも日本語のマニュアルがありますので、ほとんどその通りに読んだらいいのですが操縦席からのアナウンスは結構アドリブがありますので訳すのに苦労します。
サービス中にアナウンスが入る事が多いので、聞き漏らさないようメモするのも結構慣れるまでは大変。
以下の動画はブリティッシュエアウェイズのキャプテンアナウンスです。
あなたが日本語アナウンス担当だったらどうするか?日本語訳によろしかったら挑戦してみてください!動画の下にサンプル回答載せてます。
この動画のアナウンスを実際日本語に訳してアナウンスをする場合は以下の様になります。(あくまでもサンプルです。)
操縦席より本日のご搭乗のお礼とご挨拶を申し上げました。この便はフライト時間が長いために機長の他三人の操縦士が乗務しております。キャプテン、リチャード・サットクリフ、副操縦士ジェームス・ネモとジョン・リンカでございます。
また、客室の総責任者はジュリアン・クーニーでございます。まもなくいたしますとこの飛行機の安全設備についてビデオでご案内いたします。また、飛行中天候はおおむね良好とのことでございますが、シートベルトサインが点灯いたしましたらどなたさまもお座席にお戻りになり、シートベルトをお締めくださいますようお願いいたします。
本日のフライト時間は13時間30分を予定しております。この飛行機は明日の朝ロンドンヒースロー空港に定刻通りの到着を予定しております。
また、約5分後にはエンジンを始動させ滑走路へと移動し離陸いたします。飛行中のルートに関しましては、お座席前にございますモニターでご覧いただけます。
それではどうぞ皆様ごゆっくりおくつろぎください。
いかがでしたか?難しかったですか?
私も最初は聞き取るのにとっても苦労しました。入社当初、イギリスの航空会社ではアナウンスの訓練があったのですが(エアラインによって、あるところと無いところがあります。)、録音された機長アナウンスを聞いて訳す練習を繰り返しやっていたのを覚えています。
出来るようになるには数稽古が一番です。
トレーニング*外資系エアラインのみ
機内以外でも、外資系エアライン客室乗務員の訓練は全て英語です。キャビンアテンダントのトレーニング内容についてはこちらの記事で詳しくお伝えしています。

訓練はサービスと緊急時の対応など安全に関するトレーニングがメインとなります。特に、安全に関するトレーニングでは専門用語などがたくさん出て来ますので、あらかじめ予習しておくといいかもしれません。
あまりにもトレーニングについていけない人は、そこで帰されることもあります。でも、そういうときこそチームワーク!同期と共に助け合いながらこなしていけば、留学経験がない人でもたいていはクリアできます。
結構こういうときもチームワークって重要なんです!
また、ブリーフィングは全て英語で行われますし日本人客室乗務員の場合は”cultural input”として日本のお客様と接する際の注意事項や日本路線にしかない例えば日本茶などのサービス商品を本国の乗務員達に伝えることもあります。
CAに必要な英語のレベル
ということで、客室乗務員が仕事で使う英語の種類やスキルは以下の様になります。
◆機内安全に関する英語
◆機内アナウンスで正確に情報を伝えるための発音
◆日常会話力
◆機内安全に関する英語
◆機内アナウンスで正確に情報を伝えるための発音
◆トレーニング内容を理解するためのリスニング力
◆操縦席やイレギュラー(突発的な出来事)が起こった際のリスニング力と通訳のスキル
◆日常会話力+イレギュラー時の会話力
JALやANAなどの日系エアラインの場合はアナウンスもトレーニングがありますし、英語はほぼ同じフレーズしか使わないので、それを覚えてしまえば入社前に英会話力がなくても最低限英語での対応はできます。
もちろん英語力は高ければ高いほど良いに超したことはありませんが、、、
外資系エアラインは、日系エアラインの英語にプラスして上記の赤字の部分の力も持っていることが求められます。
お客様からのクレーム対応で、納得していただくための説得力や説明力なども必要ですし、突発的に起きたイレギュラーな出来事に対応する英語力も求められます。
例えば、飛行機の出発が遅れて目的地到着も遅れるので、お客様になぜ遅れるのかと聞かれた場合英語で説明する必要もありますし、到着後の乗り継ぎの説明なども個々のお客様に対応していかなくてはなりません。
また、緊急事態の時の説明などもすべて英語です。
ANAは、世界のリーディングエアラインを目指してグローバルな人材育成を強化しています。
そして、現在課題にしているのがこの外国のお客様へのイレギュラー対応力の強化。通常の語学力に加え、何か起きたときにでもスムースに対応出来る語学力が必要と考えています。
ですので、今後世界のリーディングエアラインを目指すANAでもより外資系エアラインと同じ位の高い英語力が求められるでしょう。
ここまで、キャビンアテンダントが仕事で使う英語についてお伝えしてきました。ここからは、キャビンアテンダントの仕事で使う英語の身に付けるアイデアをご紹介します。