
エアラインCA受験準備に入る前に基礎知識を入れておきましょう!
客室乗務員(CA)は、空の旅を支えるプロフェッショナルとして、多くの役割を担っています。その主な役割はJALやANAなどの日系エアライン、外資系エアラインのいずれも共通しています。具体的な受験準備に取り掛かるためにまず、客室乗務員の仕事とは何かをここではお伝えしていきます。
1. 保安要員(Safety)としての役割
乗客の安全を守る最優先の任務
客室乗務員の最も重要な役割は、「安全の確保」です。このSafetyの役割があるからこそ、すべてのお客様が無事に目的地へ到着できます。飛行機という特殊な環境では、常に安全が第一であり、この役割を果たすためにCAは以下のようなトレーニングを受けています。
- 緊急時対応
故障や火災、緊急着陸、脱出などに対応するためのシミュレーショントレーニング。 - 安全チェック
機内のセキュリティ確認や危険物の検知。 - 急病人対応
応急処置や医療プロフェッショナルへの連携。
2. サービス要員(Service)としての役割
快適な空の旅を提供するおもてなしのプロ
客室乗務員の2つ目の役割は、サービス要員としての仕事です。お客様がリラックスして空の旅を楽しめるよう、以下のような業務を行います。
- 食事・飲み物の提供
長時間のフライトでも快適に過ごせるよう、タイミングや要望に応じたサービスを提供。 - 機内販売・その他サービス
商品の説明や販売、入国カード、税関関係の書類等の配布、その他お客様の対応 - アナウンス・案内
日本語、英語による機内アナウンス
3. ブランドアンバサダーとしての役割
エアラインの顔として会社のイメージを左右する
最後に、客室乗務員は「エアラインの顔」としての役割も果たしています。乗客と直接接することで、会社のイメージを形成する重要な役割です。この仕事は「ブランドアンバサダー」とも呼ばれ、エアラインの評判を左右するほどの影響力を持っています。
- 印象形成
高品質なサービスや気配りが、会社のブランド価値を高める。 - 安心感の提供
緊急時に冷静で的確な対応を行い、乗客に信頼感を与える。
日系エアラインでは、「高品質な一流のおもてなし」が会社の文化そのものであり、CAはその象徴とされています。外資系エアラインでは、多様な文化や背景を持つCAが、グローバルな視点で柔軟な接客を行い、ブランド力を高めています。

CAの仕事の流れ
客室乗務員が出社してから目的地に到着するまでの仕事の流れは、国際線と国内線でサービス内容などに違いはあるものの、基本的には以下のような手順をたどります。特にJALやANAの国内線では、スケジュールによってはこの流れを1日に複数回繰り返すこともあります。
1.ブリーフィング
- 保安: フライト中に起こり得る緊急事態に備え、乗務員全員で安全対策を確認します。状況に応じて特別対応を決めることもあります。
- サービス: 提供する食事や飲料、機内販売の内容について確認します。
2. 出発前(機内準備)
- 保安: 客室乗務員は、飛行機が出発する前に緊急装備(救命胴衣や酸素マスク)の位置を確認します。また、機内清掃や備品チェックを行い、緊急時の準備を整えます。
- サービス: 機内が快適な状態であることを確認し、温度やシートの整頓など、乗客が快適に過ごせるように準備します。
3. 搭乗
- 保安: 乗客が安全に座席に着くことを確認し、座席ベルトの着用や緊急出口の位置について案内します。
- サービス: 荷物の収納補助や、機内の快適性を高めるサービスを提供します。
- ブランドアンバサダー: 乗客に対して親切で、温かみのある接客を心掛けます。
4. 離陸準備
- 保安: 離陸前に緊急時のアナウンスを行い、乗客に安全確認を促します。
- サービス: 機内食や飲み物の準備を開始し、提供の準備を整えます。
- ブランドアンバサダー: 笑顔での対応と、エアラインのブランドイメージを反映させる言動を意識します。
5. フライト中
- 保安: 定期的に機内の安全を確認し、シートベルトの着用を促したり、トイレ周辺のチェックを行います。
- サービス: 乗客への食事や飲み物の提供、機内販売などのサービスを行います。
- ブランドアンバサダー: 乗客一人ひとりに対してプロフェッショナルで親しみやすいサービスを提供し、エアラインのイメージを作ります。
6. 着陸準備
- 保安: 乗客に安全な着陸準備を促し、シートベルト着用を再度案内します。
- サービス: 乗客に降機後の案内(入国手続きや手荷物回収)を行います。
- ブランドアンバサダー: 最後の挨拶を丁寧に行い、良い印象を残します。
7. 着陸後(機内)
- 保安: 緊急事態が発生した場合に備えて迅速に対応します。
- サービス: 乗客が降機しやすいように誘導します。
- ブランドアンバサダー: 最後まで乗客に対して親切に対応し、エアラインの信頼を高めます。
8. デブリーフィング(反省会)*主に日系エアライン
- 保安:フライト中に起こったセーフティやセキュリティに関する情報などをシェアします。
- サービス:サービスに関する振り返りや意見を出し合います。
CAの仕事内容がわかる参考動画
ブリーフィングからフライト後までANA、JAL、外資系エアラインそれぞれの仕事の内容や流れがわかる動画をご紹介します。
<ANA>
<外資系エアライン>
日系・外資系を問わず求められる資質
エアラインCAの3つの役割を理解することは、客室乗務員を目指す上での第一歩です。安全性を最優先に、快適なサービスを提供し、エアラインの顔として責任を持つことは、すべてのエアラインで共通です。
<客室乗務員に求められる資質例>
- 安全に対する責任感
- チームワーク力
- 安定したメンタルと体力
- 瞬時に状況を判断する能力
- 柔軟なコミュニケーション力など
客室乗務員には、航空会社ごとに異なる文化やサービスの特徴があるものの、基本的な役割には共通点があります。エアライン受験の準備を進める際には、求められる客室乗務員像をより深く理解することが重要です。
その際、「保安」「サービス」「ブランドアンバサダー」という3つの役割を軸に掘り下げていくことで、客室乗務員に求められる資質やスキルが明確になり、目指すべき方向性がより具体的に見えるとともに、受験準備にも役立ちます。
おわりに
客室乗務員の仕事は、一見華やかに見える一方で、責任感とプロ意識が求められる非常に重要な役割です。日系エアラインでも外資系エアラインでも、求められる役割やスキル共通しています。どのエアラインを目指すにせよ、まずはこの3つの役割を理解し、目指す姿を明確にしていきましょう。