客室乗務員の採用試験では、応募者が動画を提出したり、画面に表示された質問に答えて録画したりする選考が行われることがあります。
「対面面接とは何が違うの?」
「カメラに向かって話すのが苦手」
「撮影の際は、何に気をつければいい?」
初めて動画選考を受ける方は、このような疑問を持つかもしれません。
この記事では、CA採用で見られる動画選考の形式と、録画前に確認しておきたいことを整理します。
※動画選考の有無や方法は、航空会社、募集職種、採用時期によって異なります。回答時間や撮り直しの可否などは、応募先から届く最新の案内を優先してください。
CA採用の動画選考には、どのような形式がある?
「動画選考」と呼ばれるものには、主に次のような形式があります。
事前に撮影した動画を提出する形式
「自己紹介」や「自己PR」など、あらかじめ指定されたテーマに沿って動画を撮影し、応募書類とともに提出する形式です。
提出方法、制限時間、撮影条件などが指定されている場合は、その指示に従います。
画面に表示される質問へ録画で答える形式
指定されたシステムへアクセスし、画面に表示された質問に対して、カメラの前で回答する形式です。「オンデマンド面接」や「録画面接」と呼ばれることもあります。
質問を確認してから回答するまでの時間や、撮り直しができるかどうかは、採用企業や設定によって異なります。
面接官とオンラインで話す形式
面接官とリアルタイムでやり取りするオンライン面接です。
録画面接とは異なり、その場で質問を聞き、会話を続けます。通信環境の準備は共通していますが、回答の進み方は対面面接に近い形式です。
「日系なら事前撮影、外資系ならその場で質問に答える」と決まっているわけではありません。まずは自分が受ける選考の形式を、案内メールや募集ページで確認しましょう。
動画では何を意識すればいい?
動画選考では、対面面接と同じように、質問を理解し、自分の経験や考えを相手へ伝えることが大切です。
ただし、録画形式では面接官の表情や反応が見えません。答えが伝わっているか不安になり、話が長くなったり、用意した文章を一気に読み上げたりしやすくなります。
まずは質問に対する答えを明確にし、聞き取りやすい速さで話すことを意識しましょう。
画面越しだからといって、普段と違う人物を演じる必要はありません。自分が実際に経験したことや考えていることを、自分の言葉で伝える準備が基本です。
「AIが表情で合否を決める」は本当?
動画面接の説明として、「AIが笑顔や目線、声の調子を採点する」といった情報を見かけることがあります。
しかし、動画選考の仕組みや評価方法は、利用するサービスと採用企業によって異なります。どの航空会社がどの機能を利用し、何を基準に評価しているのかを、外部から決めつけることはできません。
例えば、動画面接サービスを提供するHireVueは、AIによる動画回答の評価について、回答内容の文字起こしを分析し、表情、外見、背景、声の調子をAI採点には使用しないと説明しています。
「AIに好かれる表情」を作ろうとするよりも、質問に合った内容を分かりやすく答えることに集中しましょう。
撮影前に確認したいこと
動画選考の案内が届いたら、最初に提出期限と操作方法を確認します。
特に見ておきたいのは、次のような点です。
- 提出期限と指定された時間帯
- 使用できる端末やブラウザー
- 質問を事前に確認できるか
- 回答時間の制限
- 練習機能や撮り直しの可否
- 動画の提出方法と完了画面
過去の受験体験談に書かれている設問数や制限時間が、今回の選考にも当てはまるとは限りません。実際の案内を確認し、余裕を持って準備しましょう。
撮影環境は「内容が伝わること」を基準に整える
動画の背景を特別な場所にしたり、高価な機材をそろえたりする必要はありません。
次のような、話す内容が相手に届く環境を整えましょう。
- 周囲の音が入りにくい場所を選ぶ
- 顔が暗くならないよう、照明や窓の位置を確認する
- カメラに顔と上半身が自然に収まるよう調整する
- 声が聞き取りやすく録音されるか試す
- 通信状況と端末の充電を確認する
HireVueの応募者向け案内でも、静かな場所、通信環境、照明の確認、練習機能の活用が勧められています。
服装や髪型に指定がある場合は、その指示を優先してください。指定がなければ、面接の場にふさわしく、自分が落ち着いて話せる装いを選ぶとよいでしょう。「証明写真とまったく同じ印象」にすることを目標にする必要はありません。
本番前に一度、自分の話し方を録画してみる
カメラに向かって一人で話すことは、対面で会話するのとは少し違います。
本番前に、スマートフォンやパソコンで短い回答を一度録画してみましょう。
確認するのは、見た目の細かな欠点ではありません。
- 質問への答えが分かるか
- 声が聞き取れるか
- 話す速さは適切か
- 指定時間に収まりそうか
を見れば十分です。
目線や笑顔を完璧に固定しようとすると、かえって不自然になることがあります。相手に話しかけるつもりで、無理のない表情と声で伝えましょう。
回答を丸暗記しなくても大丈夫
事前にテーマが分かっている動画でも、文章を一字一句覚える必要はありません。
暗記した内容を思い出すことに集中すると、途中で言葉を忘れたときに立て直しにくくなります。また、質問の意図よりも、用意した内容を言い切ることが目的になってしまう場合もあります。
自分が何を伝えたいのかを整理したうえで、実際に声に出して練習しておきましょう。
オンデマンド形式の場合も、出題される質問を予想して答えを大量に覚えるより、客室乗務員の仕事内容と応募先を理解し、自分の経験を説明できるようにしておくことが土台になります。
撮影がうまくいかなかったら
録画中に言い間違えたり、少し間が空いたりすると、気になるかもしれません。
撮り直しが認められている場合は、案内された範囲で対応できます。一方、撮り直しができない場合もあります。
小さな言い間違いがあっても、慌てて最初から言い直そうとせず、必要なら短く訂正して話を続けましょう。通信障害などの技術的な問題が起きた場合は、画面の案内や応募先が指定する問い合わせ方法を確認してください。
完璧な動画を作ることよりも、質問に向き合い、伝えたいことを最後まで届けることが大切です。
まとめ|動画選考も、伝える相手がいる面接
動画選考では、画面やカメラに向かって話すため、対面面接より手応えをつかみにくいかもしれません。
しかし、基本は同じです。質問をよく理解し、自分の経験や考えを、相手に伝わる言葉で話します。
まずは応募先の最新の指示を確認し、通信・音声・照明を整えましょう。そのうえで、一度録画して、話す内容と聞き取りやすさを確かめておくと安心です。
動画の中で「CAらしく見せる」ことを目指すより、応募先に自分を理解してもらうことを意識して臨んでください。