キャビンアテンダントになるために留学をしたいと考えている方も多いと思います。
中には、留学経験はCAになるのに有利になるかもと考えていらっしゃるでしょう。私も、そう考えて高校時代に1年間アメリカのボーディングスクールに留学した経験があります。
このアメリカ留学経験は私にとって、日系、外資系エアライン5社合格することにもそしてその後のCAとして働く際にも非常に役立ちました。
でも、同期や周りを見渡すと留学経験なしで日系、外資系エアラインに合格されている方もいらっしゃいますし、ときには留学経験はそこまで有利にならないこともあります。
さらに、留学経験といっても短期から長期そして、学生か社会人かによっても内容が違ってきます。どのような留学でも、行かれるなら絶対CAになるために有利になる経験にしたいですよね。
そこで、留学経験をアピールして合格した経験を基に“CAになるために有利になる留学経験をするにはどうしたらいいか?”期間、行き先、内容などについてお伝えします。
CAになるための留学経験を有利にするために
CAになるための留学経験を有利にするためには、以下の三つの力をアップできるような留学経験をすることです。
この三つは、留学するメリットでもあります。留学すると、どういう力がつくのかもう少し詳しくお伝えします。
生きた英語に身近に接することで語学力アップ
まず最初は、なんといっても留学するとやはり語学力がアップします。
教科書やこれまで学校で習ったことのないようなフレーズを身につけるには、留学が一番効果的です。
しかも、会話を聞いているとその中で出てくる単語なども決して難しいものではなく、意外とそんな風に表現しているんだ!と驚くと思います。
例えば、アメリカに行って最初の頃に覚えたフレーズ。
「After you.」(お先にどうぞ)
直訳すれば「あなたの後ろ」、これでお先へどうぞとなるなんて!と驚きました。
“生きた英語を学べる”ことが語学留学の最大限の魅力です。
英語を話す環境の中でコミュニケーション力アップ
二つ目は、外国語での英語コミュニケーション力が身に付くこと。
CAが機内で使う英語は、日常会話+業界専門英語
交渉で相手を説き伏せたり、納得させたりというようなこともイレギュラーな事がフライト中に起こった際は必要ですが、ほとんどはお客様との雑談のような会話が中心。
ですので、日々の生活の中で使う表現などは、そのまま機内でも活かすことができます。
留学に行くと、英語を話すことが必須の環境になるのでどうにかしてでも自分の考えを相手に伝えなくてはならないという追い込まれた状況となります。
そういう状況をたくさん経験することで、コミュニケーション力をアップさせることができます。コミュニケーション手段としての英語力が一番上がる方法です。
カルチャーショックが多様性への対応力アップ
三つ目は異文化理解力。
はじめて海外に出たときにまず思ったことは、日本の快適さ、便利さです。
まぁそれまでずっと暮らしていたので当たり前と言えば当たり前ですが、住みやすいし、サービスも良いし、対応も全然違う。など色々と日本の良いところがたくさん見えてきます。
さらに、外国の方から日本のことなどを聞かれてあまりうまく説明出来ず、日本の文化についてなんにも知らないなんて言うことも気付きます。
また、海外に出ると様々な国の人と出会うチャンスでもありその方達の文化などを聞いたり、体験するというのは好奇心旺盛な方にとってはもうわくわくです。
これまでの狭い世界の中から一変して、価値観も世界観も大きく変わります。
そういった経験を通して、バックグランドが違ってもお互いの文化や考え方を尊重し認め合いそして友情を深めていくことができます。
こういう経験は旅行でももちろんできますが、生活をする中ですともっと身近に感じることができます。
これらの経験はCAになったあと、外国のお客様のニーズを探ったり対応するのにものすごく役立つのです。
留学のデメリット
留学のメリットをお伝えしましたが、デメリットもあります。
金銭的、時間的な負担は、その経験がCAになるために有利に働けばおつりが来るほどの費用対効果の高い投資となります。
なのでそうなるとデメリットではなくある意味先行投資です。
ただ、留学がデメリットになることがあるのも事実。例えば、留学先でなかなか現地の人達の中に溶け込めず結局そばにいる日本人同士つるんで日本語ばかり話してしまって、なんの力もつけられずに帰国という一番もったいない留学です。
私は絶対そうはならないといっても、カルチャーショックやホームシックにかかるとついついこの甘い罠にはまりがちなんです。
留学の効果を最大限にするためにも、なぜ私は留学をしているのか?という目的を思い出すと良いです。
留学がスタートして少し慣れてくると、だんだん周りを見渡せるようになるものの、思うように自分を伝える事ができずカルチャーショックやホームシックなどと重なって精神的に落ち込む時があります。
そこが分かれ目。しっかりと留学経験を活かせる人は、そこで当初の留学の目的を思い返し、自分が変わらないと何も始まらないと積極的に話しかけるなど行動し始めます。
留学をする前にこういった「メンタル的にも落ち込むことがある。」とあらかじめどんな精神状態になりやすいか知っておくといいかもしれませんね。
留学の場合は、いつかは帰国しなくてはならないので期間限定。必ず終わりが来ますので絶対どんなことも乗り切る!という意気込みで、是非がんばってください。
CAになるための効果的な留学プランの立て方
留学かワーキングホリデーか?
留学を考える上で、学校などに通う留学かワーキングホリデーなどを利用して働きながら海外生活を経験するか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
留学でもワーキングホリデーでもどちらでも最初にお伝えした三つの力は、身に付けられます。
二つの大きな違いはビザでしょうか。語学学校などに通う留学は学生ビザ。ワーキングホリデービザは就労可能な特別なビザです。
外務省のHPよるとワーキングホリデーとは
ワーキングホリデーは、就職活動や現地で働くことが経験できたりと積極的に行動すればかなり語学力もコミュニケーション力もアップする力をつけられると思います。
留学の場合は一点に留まってそこで生活をしながら語学や現地の生活を楽しむという感じです。
どちらが良いかは、どちらのスタイルが自分に合っているかを考えるといいと思います。
ワーキングホリデーは、自由度が高く働く場所なども自分で決めたりするので何が起こるかわからない割と”出たとこ勝負”のようなところがあります。
一般的な留学はあらかじめ行く学校や滞在先などが決まっているので留学が初めての方は最初は、短期留学をしてどんな感じかを経験される方がいいかもしれません。
また、ビザは滞在国によっても申請が必要だったり不要だったりしますし、期間や申請方法も変わりやすいので、留学プランを組み立てるときには前もって調べて余裕を持って早めに準備しておくと良いです。
期間はどれくらい?
今は、LCCもありますので気軽に思いついたらすぐ海外に行けます。
台湾や韓国などは日帰りでも行けますし、行こうと思ったらセブ島などに2泊3日で中1日授業を受けて帰ってくるなんていうこともできちゃいます。
こんな感じで超短期から数年単位の留学まで期間は様々。
滞在期間は、予算やその後の予定なども考慮しなくてはならないですよね。長くいた方が身に付くとは思いますが、短くても滞在中とその後の英会話の実践でずいぶんと違って来ます。
ですので、チャンスがあればどんどん海外に行って異文化体験を積極的に経験してみてください!
短くても、海外経験は色々な気づきをもたらしてくれますよ。ただ、一つ注意事項があります。
留学期間を考える時、留学をアピール材料にしたいと考えていらっしゃるなら海外経験は6ヶ月以上からでないとESに記載することができないエアラインもあります。ですので、その辺りも考慮に入れて考えられるといいと思います。
外資系エアラインを受ける際には、6ヶ月以下でも経験があれば記載しておくと良いでしょう。
CAになるために有利な留学場所は?
有利になるような、留学場所は特にありません。
しいていえば、例えばシンガポール航空を受ける際にシンガポールに留学経験があればアピールポイントにはなります。
シンガポール航空は、シンガポールに住まなくてはいけないので生活経験があるとどのような暮らしなのか想像がつきますし文化にも触れているので働く際にも役立つからです。
ですが、シンガポールでなくても同じような経験はどこでもできますのでこだわらないほうが良いです。
英語を学びたいと考えて英語が母国語の国を真っ先に考えオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、イギリスなどが浮かびますが、行き先を考える際はご自分の興味のある国でもいいし、憧れの国でもいいと思います。
また、英語の発音なども違いますのでブリティッシュアクセントを身につけたいならイギリスなどというような選び方も出来ます。
英語を母国語としている国でも、そこで話している英語も国や地域が違えば発音などが違いますので、そういった点も考慮に入れるといいと思います。
例えば、イギリスの中でも、スコットランドは私たち日本人が考えるイギリス英語とは違います。独特のアクセントを持っているので、結構慣れるまで大変かもしれません。けれども、人は素朴でとても良い人達ですよ。
最近はフィジーなども格安で人気だそうです。マルタ島なんかも珍しくておもしろそうですね。
留学で英語力どれくらいアップする?
ひとそれぞれその環境や勉強量などによっても違うとは思います。参考に私の例を挙げますと、3ヶ月目で初めて英語もどきの夢を見ました。
でたらめな言葉だとは思うのですが、毎日何いっているのかわからないという日常生活を送っていましたので、それがそのまま夢になったのだと思います。
けれども、その辺りから割と英語が耳に入ってくるようになりました。それまでは話す事も出来ずひたすら“忍”の世界。
寮生活で、私がいた寮に日本人は私だけ。それもよかったのかもしれません。そこからは、英語を英語で理解するようにも心がけたので、1年後には最低限自分の言いたいことは言えるような程度になって帰国しました。
私は約1年(学校が10ヶ月その後サマースクールに参加)アメリカに滞在して、帰国後すぐに英検準1級に合格。大学の時は、TOEICを受験しJAL・ANAを受ける際は795点でした。
外資系エアラインを受験したときもこの点数です。(私の時代は有効期間など厳しくなく、その後もTOEICは受験しなかったのでずっとこの点数を使いまわししてました。)
CAに役立つ留学をするためのカリキュラム選び
まずは英会話のレベルや目的を考えてカリキュラムなどは選んで行くといいです。
◆海外経験あり、英会話も多少出来る⇒語学+α
◆成長を実感できる海外就労体験をしてみたい⇒ワーキングホリデー
海外初めての方や英会話経験が少ない方
海外が初めての方や、英会話の経験がほとんどない方はまず海外に慣れるという目的でカリキュラム選びをするといいです。
英語研修を中心に、課外授業やアクティビティなども豊富にあり”生きた英語”に直接触れる体験をたくさんしましょう。
また、異文化体験をするならホームステイなどもいいと思います。実際現地の方と生活をし暮らしや文化を直接体験できます。
学校選びやカリキュラムなども提供している学校やエージェントもたくさんあり、多分迷ってしまうと思いますので、まずは無料でできるだけ多くの資料を取り寄せてそこからいいなと思うところにコンタクトするのが効率的です。
海外旅行など経験されていて多少英語が出来る方
海外旅行、留学などの経験がある。
TOEICなど600点以上すでに持っている。
などの方には、さらにランクアップした留学がおすすめ。
プラスαで現地のコミュニティカレッジなどの単発や短期のレッスンでホスピタリティの勉強やグローバルマナーやコミュニケーションなども学ぶと仕事などに活かせます。
また海外旅行などで経験はあるけれど、まだTOEICが600点に届いていない方などは、TOEICの目標の点数に到達するために集中的に勉強するプログラムなどを受けるのも良いですね。
ホスピタリティに関する専門知識やスキルを身につける
更に、6ヶ月以上留学期間がとれる場合は職業専門学校などに通うのも良いと思います。アメリカやカナダではコミュニティカレッジ。オーストラリアではTAFE(テイフ)。ニュージーランドではポリテクニックと呼ばれていて、そこでは語学はもちろん専門知識やスキルが身に付きます。
こちらは、地元の人達も通う学校なので入学する際にTOEFLなどの一定の点数が必要ですがオーストラリアなどでは留学生も積極的に受け入れていて、国籍や年齢問わず入学することができます。
ツーリズムやホスピタリティなどを選んで勉強すれば、そのままCAの仕事に活かせますし、コースを修了すれば履歴書に記載することも出来ますのでアピールできます。
CA訓練やエアライン英語面接対策
また、イギリス、アメリカなどではCAになるトレーニングをやってくれる学校などもあります。セーフティ関連などCAになったあとのスキルを前もって身につけることに特化している学校や、マレーシアなどでは、エアラインスクールのような英語面接試験対策などをやっているプログラムなどもあります。
中には推薦制度を設けていて、特別に受験できるなんてこともあるようです。
留学エージェントを決めるコツ
もちろん、直接語学学校に問い合わせて入学からビザ取得、渡航準備まですべて自分でやることは可能です。
私は、現役CAの時に休暇を使ってメキシコに3週間スペイン語留学をしに行った経験があります。その時手配をすべて自分でやったのですが、まぁそのめんどくさいこと!
日本人の人があまり行っていないような学校に行けるかもしれませんが、意外と手間がかかります。
まして、詳しい情報があまりなく不安な思いをするかもしれません。
留学エージェントはそういったわずらわしい手続きなどを手伝ってくれますし、何より留学に関する質問や相談などできるのがメリットです。
また、留学中や社会人の場合はその後の就活支援などもサポートしてくれるシステムがあると心強いですね。
留学先を選ぶ際は、留学エージェントに丸投げではなく、留学の目的ややりたいこと条件など自分の留学ではずせない軸を伝え、それをなるべく叶えられるような提案をしてもらえそうなところがおすすめ。
そのためにはまず留学を真剣に考えている方はもちろん、ちょっと気になるという方もまず資料を取り寄せたり、説明会などに参加してチェックしてみるといいですよ。
留学経験者が語る出発前にやっておくと良いこと
ここまで留学についてお伝えしてきましたが、最後に経験者としてこれから留学を考えている方にやっておくと良いことを2つお伝えします。
英語発音矯正
一つ目は、英語発音。
発音は行ってから学べば良いのでは?と思われるかもしれませんが、前もって習っておくと行ってからの上達がぐんとスピードアップします。
なぜなら英語の音を聞き分ける力をすでに持っているからです。発音をやらないと、まず聞き分ける所からスタートです。
前述したように、英語の音が頭に入ってくるまでに私の場合は3ヶ月かかりました。発音を日本で前もってやっておくとこの時間分がスキップできます。
留学前に、英会話スクールやマンツーマンで英会話のレッスンを受けたりしましたが、それより発音だけしっかりとやって現地に行った方がよかったと後悔しているくらいです。
留学・ワーホリ保険
留学前にやっておくとよいこと二つ目は、保険加入です。
海外は病気や怪我などで病院へ行って、治療などを受けるとものすごい金額を請求されます。
実は、米国留学中に怪我をして手術を受け1日でしたが入院した経験があります。その当時の治療費はなんと200万円以上でした!
ただ、あらかじめ保険に入っていたのでスムースに手続きをして支払もしていただけたので大助かり。本当に入っておいてよかったと思いました。
留学中は、何が起こるか分かりません。安心のためにも是非保険には入っておくことをオススメします。
いかがでしたでしょうか?
エアライン業界では、コミュニケーション手段としての英語力を持っている人材がますます必要になってきます。
そこで、是非留学経験で身につけた英語力、コミュニケーション力、異文化理解力をアピールして合格を有利にしていきましょう!